今日は、エントリーシートでも面接でも使える「質問に答える」際のテクニックをお伝えいたします。
ビジネス文書ではごく当たり前なのに、就活本にはこの根本的な部分は余りかかれていません。
就活本に書かれているエントリーシートや面接の受け答えの基本は突き詰めれば、このテクニックの1言に集約されます。
受け答えは「相手の思う順番」で答えることが重要
「相手にモノを伝えたい」「相手を動かしたい」というエントリーシートや面接において、「相手の考えの順番」で応答することは非常に重要です。
対極的にあるのは、「女性のおしゃべり」なのかもしれません。これは、「相手に何かをしてもらいたい」というものではなく、「相手に聞いてもらいたい」会話ですので、自分のペースで話しても問題ないわけです。
「相手に伝える」・「相手を動かす」という会話場面は、エントリーシートや面接だけでなく、ビジネスの現場でも非常に良くあることですが、「相手の指向」を意識して応答できている人はあまり多くありません。
「相手の指向を意識した順番」は一般的には物語が文学と真逆の順番になります。サスペンスや推理小説で言うと、「誰が犯人か」、「なぜ犯行を犯したのか」、「どうやって実施したのか」などの順番で伝えていくことになります。
具体的にどうすればいいのか?
では、具体的にはどういうことでしょうか?
面接の場面を想定して、会話形式で書いてみましょう。
御社のポン酢を世界に広める仕事をしたいと考えており、御社を志望させていただきました。具体的には海外営業として世界中に御社のポン酢を普及させていくような仕事をしたいと考えています。
(はっきりと、●●が志望理由です。と最初に答えることが重要です)
なぜ、数ある事業のなかからポン酢を選んだんだろう?
私は学生時代にフランス料理店でアルバイトをしていました。実は大学2年生の頃まではフレンチシェフになろうと本気で考えてフランスに出たこともありました。
ポン酢を選んだ理由とフレンチシェフと何か関係あるのかな?
その修行先のレストランで「御社のポン酢」が使われていたことが非常に驚きでした。
オーナーシェフが、ポン酢を知ってから料理のレパートリーがすごい広がったし、お客様のリピートも増えたんだよ。お前の国(日本)の調味料はすごいな。と言ってくれたのを聞いて、日本人として非常に誇りに思いました。
その後、具体的に就職活動や働く自分をイメージするうちに、一人ひとりのお客様に料理を提供するシェフよりも、日本人として日本の食文化を発信することで、世界中の料理を支援する仕事をしたいと考えるようになりました。
たまたま、見つけたポン酢が自社だったから自社志望しているのかな?他の調味料会社でもいいのでは?
修行先で見つけたのが御社の製品だったこともあるのですが、御社の高い世界シェアと、アジア・欧米を始め世界に日本の食文化の発信に力を入れられていることを知り、私の思いを活かすには御社しかないと考え御社を志望させていただきました。
なるほど、次の質問ではポン酢以外の商品担当になったらどうする?とか、英語力について聞いてみようかな。
悪い例
次に、悪い例を見ていきましょう。一般的な物語の順番に近い書き方ですね。
私は学生時代にフランス料理店でアルバイトをしていました。実は大学2年生の頃まではフレンチシェフになろうと本気で考えてフランスに出たこともありました。
その修行先のレストランで「御社のポン酢」が使われていたことが非常に驚きでした。
(この時点で面接官の質問に答えていないので途中の話は面接官の頭には残りにくいです)
オーナーシェフが、ポン酢を知ってから料理のレパートリーがすごい広がったし、お客様のリピートも増えたんだよ。お前の国(日本)の調味料はすごいな。と言ってくれたのを聞いて、日本人として非常に誇りに思いました。
ウチの製品を褒めてくれるのはいいけど、この人は何をしたいのかな?
その後、具体的に就職活動や働く自分をイメージするうちに、一人ひとりのお客様に料理を提供するシェフよりも、日本人として日本の食文化を発信することで、世界中の料理を支援する仕事をしたいと考えるようになりました。
修行先で見つけたのが御社の製品だったこともあるのですが、御社はアジア・欧米を始め世界に日本の食文化の発信に力を入れられていることを知り、私の思いを活かすには御社しかないと考え御社を志望させていただきました。
いきなり、ウチを志望してくれるといわれても何をしたいのかわからないしな・・・・
御社のポン酢の世界での普及率を知り、私もポン酢を世界に広める仕事をしたいと考えています。具体的には海外営業として世界中に御社のポン酢を普及させていくような仕事をしたいと考えています。
内容は同じでも順番で伝わり方は大きく違う
2つの例は、学生が話している内容は同じなのです。
しかし面接官の思考の順番に答えていかない「悪い例」では、「志望動機」だけは伝わりますが、その途中の「アナタにしか書けない志望理由や背景」は面接官の頭の中にはあまり残りません。つまり「印象に残らなかった学生」になるわけです。
聞く側の思考順序を意識して文章構成することが非常に重要です
面接の回答案でも、エントリーシートでも。また、志望動機でも自己PRでも。すべてはこの「聞く側の順序」を意識して回答を作成してください。
当サイトの情報は選考の通過や内定を保障するものではありません。就職活動は自己責任行ってください。当サイトの情報による損害や被害については当サイトは一切責任を負いません。